バンスとは「アドバンス」の事です。所謂「前借り」です。前借金を報酬で相殺する行為は法律で禁じられていますから、無担保無利子で貸し付けますよということになります。ですからバンスが出来ますというときには、一応借用書を書かせるところが多いでしょう。利息は0になっているのがほとんどでしょう。

ただしバンスの場合には、働いて得る報酬が担保になっていますよね。その日から稼げる可能性が高い商売ですから、取りはぐれというのはあまりありません。回収期間も短くて済みます。そのためバンスを行う風俗店も多いのです。訳ありで入店して風俗嬢になる女性が多いので、バンスがあると大変助かるでしょう。

女性のスペックによっては、バンス出来る額も変わってくると考えられます。店側が「ずっと働いてくれるといいな」「きっとお客が付くな」と思えるような女性であれば、少々大きな金額をバンスさせても回収の見込みが立ちますし、反対にスペックが低くて稼げそうにない子なら、大きなバンスは危険です。

またその危険を犯してまで店に繋ぎ止める必要もありません。そこで売れそうな子と売れそうにない子への対応が違うのも、当然といえば当然です。そういったことがアカラサマだと店内でヤッカミなどが生まれてギスギスしますから、今ではバンスを一律にしている店も多いでしょう。

一昔前は特に、何かから逃げてきて風俗業界に入る女性も多く、着の身着のままなんてことも少なくなかったわけです。寮完備でバンスが出来る店はそういった女性都合が良く、入店希望者も集まりやすかったのです。なにしろ今よりもずっと風俗への抵抗感が大きく、余程の理由がなければ働かない、働けない、続かないといった業種だったのです。

訳ありの人に配慮できる環境があれば、人員確保が若干容易になりました。バンスもその配慮の一つです。ただし昔は風俗業界には暴力団度が絡むことが多く、バンスを踏み倒そうものなら、かなりの追い込みがかけられたことでしょう。流れ者は男性なら飯場、夫婦者ならパチンコ店、女性なら水商売か風俗に頼るという雰囲気でした。逃げ場がない人が行き着く場所だったのですから、そこからまた追われるようなこととなれば、良く場所はなくなってしまいます。

そういうところで働く人達が一生懸命働いていたのは、そういう理由があるでしょう。今はそのように切羽詰っている人もあまりいませんので、悲壮感はなくなっていますね。

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